住宅ローン返済中に任意整理をする場合の注意点
任意整理は、借金の返済が苦しい人にとっては効果的な手段ですが、成立させるにはいくつかの条件があります。
中には、住宅ローンがあっても任意整理が可能なのか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、住宅ローン返済中に任意整理をする場合の注意点について解説します。
◾️任意整理とは
任意整理とは、それまでの返済方法を見直し、将来発生するであろう利息を無くした上で、3〜5年の数年間で借金の完済を目指す方法のことを指します。
この任意整理ができる主な条件として以下のものが挙げられます。
・借金が比較的少なく、安定した収入の見込みがある
・これまでに借金を返済してきたという実績がある
・原則3~5年以内という数年間のスパンで完済の見込みがある
・月々の返済額を設定した時、手取り収入の2~3割に収めることが可能である
また、前提として再設定された返済期間までに全額返済するという意思も必要です。
そのため、借金の返済に困ったからといって誰でも簡単に任意整理が行えるというわけではありません。
◾️住宅ローン返済中に任意整理をする場合の注意点
任意整理は上記のようにメリットが多く、基本的に住宅ローンの返済中でも行えます。
しかし、住宅ローンの返済中に任意整理を行う際の注意点がいくつかありますのでご紹介します。
・ローンを組んでいる住宅の資産価値
任意整理の対象から住宅ローンを除けますが、借金の額よりも住宅の資産がたかければ、
債権者が任意整理に応じる可能性は低くなります。
債権者が任意整理に応じるのは、通常よりも低い金額ではあるものの、このままでは債権を回収できないため、一定金額だけは任意整理によって回収しようとするためです。
したがって、借金の額よりも住宅の資産価値が高い場合、債権者の側からすると借金を満額回収できる見込みがまだあるため、任意整理に応じる必要性が低いのです。
・住宅ローンそのものを任意整理は難しい
住宅ローンを組む場合、住宅には抵当権が設定されることが一般的です。
債権者は、この抵当権をもとに住宅ローンの返済が滞った場合、住宅を取押さえ、
競売にかけることで債権を回収します。
したがって、任意整理を住宅ローンの債権者に試みると、抵当権を使って住宅を取押さえられるリスクがあります。
・任意整理を行っても住宅ローンの返済が困難な場合
住宅ローン以外の借金などを任意整理しても住宅ローンの返済が困難な場合は、任意整理ではなく、個人再生や自己破産といった別の債務整理をおすすめします。
◾️まとめ
今回は、住宅ローン返済中に任意整理をする場合の注意点について解説しました。
住宅ローンを残したまま任意整理することは可能ですが、注意点もあります。
任意整理には債権者の合意が必要なため、債権者との交渉を有利に運ぶためには専門家に依頼することをおすすめします。
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